今年のイギリス大学留学について
今年10月からのイギリスの大学や大学院に入学を予定されている方は、授業や大学生活がどうなるのか、とても興味があると思います。そして、未だに渡英すべきかどうか悩んでいらしゃる方もおられるかと思います。
今日は今年の授業実施方針と渡英すべきかどうかの2つのトピックをカバーしたいと思います。なお実際の授業方針は入学予定の各大学にお問い合わせください。またこの記事を見て出したいかなる決定に関しても私は責任を取りません。各自の自己責任でお願いします。
(1)授業実施方針
各大学により、あるいはコースにより異なりますが、多くの大学ではオンラインとオンキャンパス(通学)の2つを併用する方針です。この場合、講義(レクチャー)をオンラインで行い、セミナーやチュートリアル、実験などを対面で行うようです。原則として学生は各大学のキャンパスで授業を受けることを想定されていますし、実際にイギリスに居ることを前提としています。
ただし、現実には自国民の出国禁止措置やビザの発給遅れなど渡英が困難な場合も多く、そういった国からの留学生への影響を最小限に抑えるべく、完全にオンラインでの授業も行う大学もあります。
(2)渡英すべきか
可能であれば入学を1年延期(Deferral)することをおすすめします。(1)で書いたとおり、講義はオンラインで行いますし、チュートリアルも担当教員によってはオンラインで行う場合があります(特に年齢が高い先生の場合、健康上の理由から大学に行かない方もいらっしゃいます)。また上記に加えて以下のように学生生活が大きく変わるためです。
(2-1)殆ど自室から出ない生活
もし社会科学系の修士課程に入学される場合、そもそもその分野の修士課程での勉強のスタイルは講義と自習です。セミナーはありませんし、修士論文のためのチュートリアルが始まるのは年明け以降になります。このチュートリアルも教員によってはオンラインになるかもしれません。したがって、講義をオンラインで受け、自習は大学図書館のウェブサイトから電子書籍や論文をダウンロードして行うことになります。
そのため、自室を出るのは買い物か遊びに行くときだけになりますが、そもそも遊びに行くところも殆どありません。クラブ活動は少なくとも1学期目はオンラインまたはキャンセル、同様に大学や学生組合主催の学生向けのイベントもオンラインまたはキャンセルになっています。そのため、イギリスに来て部屋にこもりっきりの生活になります。特に11月以降の冬時間かなり鬱屈した生活を送ることになりますし、そもそもイギリスに来て自室から出ない生活にどのくらいの意味があるのか疑問です。
実験系のコースに入学される、あるいは大学の施設を使わないと学習ができないコース(歴史系など)に入学される方は上記の限りではないと思います。ですが、勉強のためだけ、実験のときだけ大学のキャンパスに行き、残りは自室にこもることになるのは社会科学系の学生と同じです。またソーシャルディスタンス確保の観点から、一度に実験室に入る人数を大幅に減らして行うため、知り合いの学生の数が極端に減ります。図書館も同様に入館者の数を制限する方針です。
なお、年明け1月以降状況がどうなるのかは誰にも分かりません。
(2-2)ヨーロッパ諸国への旅行は実質不可能
8月30日現在、フランス、オランダ、スペインからの渡英者に対し、14日間の隔離義務が課せられています。このTravel Corridor 制度では指定された国からの渡航者に対し14日間の隔離義務が発生しますが、どこの国からの渡航者が対象になるのかは14日ごとに見直されます。また突然隔離義務が発生することもあります。
これは他のヨーロッパ諸国でも同じで、旅行先に行っても14日間の隔離義務が発生すると旅行の意味がなくなってしまいます。イギリスに留学に来ると他のヨーロッパ諸国へのアクセスの良さにびっくりされる方が多いのですが、今年はこれを実感することはないです。
******************************************************
結論として、可能なら入学を1年延期されることをおすすめします。来年8月であればまた状況が変わっているでしょうし、仕切り直しの意味で気持ちも落ち着くと思います。
どうしても今年渡英される方。止めませんが、良い考えではないです。少なくとも10月から12月までの1学期目は在宅学習になります。クラブ活動もイベントもほぼ皆無です。年明け1月からどうなるのかは誰にも分かりませんから、年明け以降の状況に期待するのは良い選択ではないと思います。
これらも私の意見なので、押しつけはしませんが状況を見て自己責任で判断していただきたく思います。
よかったらクリックしてください。
海外就職ランキング
Comments
Post a Comment