イギリスのユースモビリティースキーム抽選倍率

ワーキングホリデー(以下ワーホリ)で海外に行かれる方も多いと思います。ワーホリは大体18歳から30歳くらいまでの若い人が1年か2年、海外で語学学校に行きながら現地で仕事をする、海外就労体験のようなものです。イギリスにはユースモビリティースキーム(Youth Mobility Scheme: YMS)という制度があり、毎年1000人の日本人を受け入れています。これがいわゆるイギリスでのワーホリになるかと思います。
ちなみにYMSは就労をすることがメインになります。

このYMSで渡英する場合、まず毎年1月と7月にある抽選に申し込む必要があります。

Youth Mobility Scheme 2020 (日本国籍者) ー駐日英国大使館

1月の抽選では800人、7月の抽選では残りの200人が選ばれます。これに選ばれるとTier 5 (Youth Mobility Scheme)というYMS用のビザに申請できます。ビザが出れば渡英できます。

さて、この抽選倍率ですが、ウェブサイトを見てみると倍率20倍だとか30倍だとか言われています。何人応募したのか公表されていないので、根拠のない噂が回るのは当たり前っちゃ当たり前ですが。

しかし、英国には情報公開請求制度(Freedom of Information: FOI)があり、これに基づいて英国政府に対して情報公開を求めることができます。

当然、YMSの抽選に何人応募したのか情報公開請求することもできます。

そのため、2013年から2019年7月までのYMS抽選に日本国籍者が何人応募したのか公開してほしい旨、英国内務省に対して情報公開請求を行い、以下の返答を得ました。

(1)2013年から2019年までの抽選に応募した人数は記録にない。
(2)2017年から2回目(7月)の抽選を始めた。
(3)先の2回の抽選に応募した人数は開示できる。2019年7月の抽選には3136人が応募、2020年1月の抽選には4577人が応募。
(4)毎回の抽選に平均5000人が応募する。

というわけで、公開された2019年7月と2020年1月の抽選応募人数から計算すると、それぞれの倍率は1月で約5.7倍、7月だと約15.7倍です。そもそも7月に選ばれる人数が200人と少ないので7月の抽選倍率は高いですね。1年間ではおよそ7.7倍になります。

内務省からの返信には、2013年から2019年の抽選申し込み人数の記録はないとされているのに平均5000人が応募していると書かれているのは解せないですが、これはイギリスならあるあるです。私の推測になりますが、ざっくりした数字しか記録してないのかもしれません。

このFOI制度は誰でも(私のような外国人でも)請求でき、しかも請求理由を述べなくても良い特徴があります。メールでも請求できます。既に他の人が類似の請求をしていないかどうかを調べることもできます。

今年はそもそも渡航できるかどうかわかりませんが、今回の騒動が落ち着いたらイギリスでのYMSを検討されてはどうでしょうか。
  
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