イギリスでの就職活動(後編)

前編からの続きです。ここではカバーレターと履歴書の書き方と面接の内容を書きます。
なおカバーレターと履歴書は補完関係にあります。

カバーレターの書き方

カバーレターは自分が応募する職種にふさわしい人間であることをアピールする書類です(詳しくは前編を参考)。ここには志望動機や自分のキャリアプランなどを盛り込みます。
人材募集広告にはJob Descriptionと呼ばれるものが書かれています。これにはその職種に必要なスキルや経験、経験年数、(職種によっては)資格が書かれています。よって、Job Description に書かれていることを満たしていれば、その職種にふさわしいとみなされるため、Cover Letterには自分にはJob Descriptionにかかれた要件を満たしていることをアピールすることが必要です。
志望動機はなぜ自分がこの仕事に応募するのかを書きます。自分がどのようなキャリアを描きたいと思っているのかと、応募している職種がうまく関連していると良いです。これは日本と同じですね。

履歴書の書き方

英文履歴書(CV)には決まった形式がありません。Job Descriptionにかかれている要件を満たしていることをうまく伝えるために、項目も各内容もその順番もすべて自由です。同じ職歴や経験でも相手の会社によって書き方を変えたり、項目を入れ替えたりします。そのため、正解はないですし、「これがオファーに結びつく履歴書」というものも存在しません。
Job Descriptionを読んで、何が求められているのか、どのような経験をしてきたのかを理解して、わかりやすく書けば良いと思います。そもそも、相手が求めていることを理解するのはビジネスの基本ですし。
ただし、履歴書やカバーレターに書かれた内容については面接時に確認されます。嘘は書かないように。

ここまで読むと、履歴書とカバーレターが補完関係にあることが分かってくると思います。履歴書では時系列で過去の職務経験や学歴、そこでやったこと(エピソード)を簡潔に書きます。一方でカバーレターは履歴書に書いたエピソードをもっと膨らませて詳細に書きます。例えば、日本語のティーチングを現地の中学校でボランティアでやったことを履歴書に書いている場合は、そのボランティアに至った理由や背景を詳述します。読み手はカバーレターと履歴書の両方を見て、判断をするので、詳細を書いて納得してもらうことが必要です。

大学の就職課では書いた履歴書とカバーレターを添削してくれてフィードバックもくれるサービスが有りました。とても参考になりましたし、彼らのコメントを受けて書き直したらより良くなったのが自分でもわかりました。

面接について

自分が今まで受けてきた面接には2つのパターンがあります。
(1)2段階方式。最初に人事部のスタッフと電話インタビュー、その後自分の直属の上司(になる予定の人)と部門のトップとの2対1での面接。
人事部のスタッフとの電話インタビューは30分くらい、10分程度で終わったこともありました。質問内容は事務的な内容(今どこに住んでる、いつから働ける、希望給与額など)が殆どで、志望動機などについての深堀りはありませんでした。ここで今持っているビザの種類と有効期限の確認がされる時もあります。
2次面接では自分が入職した場合に直属の上司になる予定の人と、その部門のトップとの2対1での面接になります。最初に履歴書に書かれたことに沿って質問がされ(Walk through your CVと呼ばれます)、次に入職したことを想定した「仕事でこういうタスクが来たらどう処理する?」のような仮定的な質問がされることが多かったように思います。

この段階だと質問にちゃんと答えられるかどうかがポイントで、ある程度準備もできると思います。大学の就職課でも模擬面接をしてくれました。受け答えの練習はしておくべきですし、実際の質問とは異なるとはいえ、自分で見直して本番に備えることができるので良い機会だと思います。
博士後期課程を終えた人の場合は、なぜアカデミアでないのか、という質問がなされます(志望動機でそのポイントをカバーできていれば訊かれないかもしれません)。ちゃんと準備しておきましょう。

(2)CEOとの直接面接
いきなり社長面接のパターン。社員数の少ない、スタートアップ企業に多いようです。訊かれる内容は(1)で書いた内容とほぼ同じです。私はリサーチアナリストの職種に応募した時に、CEOとの面接でケース問題っぽいのを出されたことがあります(こういうデータがあったとして、どうやって分析しますか、という質問でした)。ここでも訊かれたことに対してちゃんと答えられるかがポイントです。
スタートアップ企業やCEOが創業社長の場合、会社の理念や考え方を調べておくのはとても大切です。彼らは自分たちの会社に思い入れがありますし、雇い入れる社員にもその理念を共有してほしいと思っています。日本の就活でやる企業研究がここで役に立ちます。

また、(1)、(2)のどちらでも面接が決まったら、誰が面接者になるのか聞き、LinkedInでその人の略歴を見ておくと準備しやすいと思います。

給料交渉について

私は給料交渉をしたことがないため、どうやってしたら良いのかわかりません。これも経験したらまた書き加えたいですね。


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